ACC (アダプティブクルーズコントロール) :

エレクトロニック・クルーズ・コントロールをさらに進化させたもので、ライダーが設定した速度を維持しながら、前走車との適切な車間距離を保つよう車速を調整します。

ミリ波レーダーを使用した前方レーダーセンサーが、走行車線上をスキャン。ライダーが設定した速度を維持しつつ、前走車との適切な車間距離を保つように車速を調整します。

前方車両との距離が足りないと判断した場合、速度を下げるよう指示します。必要な減速度が小さい場合はエンジンブレーキで、より強い減速が必要な場合はブレーキも作動させます。さらに距離が空くと速度を上げるように指示し、設定速度に戻すためにスロットルを制御します。

アシスト＆スリッパークラッチ
は、レース活動からのフィードバックにより、2種類のカム（アシストカムとスリッパカム）を用いて、クラッチハブとオペレーティングプレートを一体または分離して駆動させるものです。

アシストカムによるセルフサーボ効果はクラッチレバーの操作感を軽くスムーズにするとともに高負荷時の駆動力を確実に伝達します。

スリッパーカムは急なシフトダウンなど過度なエンジンブレーキがかかった際に、クラッチプレートの圧着を弱めてバックトルク逃がすことで、リヤタイヤのホッピングやスリップを抑制します。

※「A＆S」「Assist＆slipper」「アシスト＆スリッパ―」は、株式会社エフ・シー・シーの登録商標です。

高精度な電子制御によるエンジンマネジメントにより、カワサキ車は高い燃費性能を実現しています。しかし、燃費はスロットル操作やギア選択など、ライダーがコントロールできる要素によって大きく左右されます。エコノミカルライディングインジケーターは、現在のライディングコンディションが低燃費であることを示す機能です。車速、エンジン回転数、スロットル開度などのライディング条件に関わらず、燃料消費量を継続的に監視します。ある速度に対して燃料消費量が少ない（＝燃費が良い）場合、メーターパネルの液晶画面にECOマークが表示されます。ECO マークが点灯したまま走行することで、燃料消費を抑えることができます。

車種によって有効な車速やエンジン回転数は異なりますが、ECOマークが表示される状況を把握することで、燃費の向上や航続距離の延長に役立てることができます。また、燃料消費を抑えることは、環境負荷の低減にもつながります。

カワサキのスロットルシステムは、燃料（フューエルインジェクター）と空気（スロットルバルブ）の量をECUで制御します。燃料噴射量とスロットルバルブ開度を最適化することで、スムーズで自然なエンジンレスポンスと理想的なエンジン出力を実現します。また、排出ガスの低減にも大きく貢献します。

また、電子制御スロットルバルブは、S-KTRCやKTRCなどの電子制御エンジンマネジメントをより精密に制御し、KLCM、KEBC、エレクトリッククルーズコントロールなどの電子システムの搭載を可能にしています。

カワサキエンジンブレーキコントロールは、ライダーが好みのエンジンブレーキ量を選択できるシステムです。このシステムを作動させると、エンジンブレーキの効きが弱くなり、サーキット走行時の干渉が少なくなります。

KCMFは高度に洗練されたプログラムとハードウエアを用いたカワサキが誇る最先端のエンジン＆シャーシ・マネジメントパッケージです。IMUが解析するデータを活用することでコーナリング中のエンジンやシャーシ各部の状態をリアルタイムでモニタリングし、パワーやブレーキ効力を最適な状態にコントロール。加減速時の挙動をスムーズにすることで、ライダーが意図したラインをトレースしやすくなります。

KCMFが以下のシステムをコントロールしています。
S-KTRC/KTRC（カワサキトラクションコントロール）
KIBS （カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム）
KLCM（カワサキローンチコントロールモード）
KEBC（カワサキエンジンブレーキコントロール）
KECS（カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション）
※モデルによりコントロールされる機能は異なります。

KLCMは、停止状態からの加速を最適化することで、ライダーをアシストするように設計されています。クラッチレバーを握ってシステムを起動すると、ライダーがスロットルを開いている間、エンジン回転数が決められた速度に制限されます。クラッチレバーを離してクラッチをつなぐと、エンジン回転数は上昇しますが、出力はホイールスピンを最小限に抑え、前輪を地面に接地させるように制御されます。あらかじめ設定された速度に達するか、3速にシフトアップすると自動的に切り離されます。また、モデルによっては、より高いレベルの介入を可能にする複数のモードを選択することができます。

スロットル全開時のクラッチレスシフトアップを可能にし、サーキットでの加速性能を最大限に引き出すために、KQSはシフトレバーの操作を検知してECUに信号を送り、クラッチを使わずに次のギアに入るよう点火を遮断します。また、クラッチレスダウンシフト対応車では、減速時にクラッチ操作なしで次の低速ギアが選択できるようエンジン回転数を自動制御します。

KTRCは、スポーツライディング性能の向上と、滑りやすい路面での安心感を両立させたカワサキの先進のトラクションコントロールシステムです。ライダーが選択可能な複数モード（モード数はモデルによって異なる）は、走行状況やライダーの好みに合わせて段階的に介入度を高めることができます。

コーナリング中のトラクションを最適に保つため、介入度の低いモードも用意されています。また、スポーツライディングを意識し、後輪の前進力を最大限に引き出すことで、コーナーからの加速を容易にします。また、カワサキの高性能ソフトウェアが、水平面ではなく、路面に対する車体の向きを基に動特性を解析するため、コーナーのキャンバーや勾配などを考慮し、適切な調整を行うことができます。

また、より踏み込んだモードでは、過度なホイールスピンを検知するとエンジン出力を抑えてグリップを回復させ、短時間の滑りやすい箇所（電車のレールやマンホールの蓋）から長時間の悪路（濡れた舗装路、石畳、砂利道）まで、安心して走れるように配慮しています。

IMU搭載モデルは、シャシーオリエンテーションフィードバックを搭載し、より正確なマネージメントを提供します。

複数のパワーモードを搭載したモデルは、ライダーの好みやコンディションに合わせて、エンジン出力を簡単に選択することができます。フルパワーモードに加え、最大出力を抑え、スロットルレスポンスをマイルドにする1モード（ロー）または2モード（ミドル、ロー）を用意。

カワサキ・コネクトは、ワイヤレスにライダー／ドライバーと車両をつなぐことで、愛車との生活をより豊かにすることを目指したテクノロジーです。スマートフォン向けアプリ「RIDEOLOGY THE APP」をスマートフォンにインストール、またはスマートフォンと車両のメーターを直接Bluetooth®接続することで、車両の様々な機能にアクセスできるようになり、モーターサイクル／オフロード4輪車の新しい世界を味わうことができます。

各車両情報や最新の車両状態をスマートフォン上で確認できるほか、詳細なライディングログを保存し、スマートフォン上でプレイバックできます。また、走行ルート、距離、走行時間などの確認も可能です。
ライディングモードや電子制御サスペンションなどの車両設定※を、乗車前に容易に変更することが可能です。

※機種により閲覧や作業できる内容は異なります。

川崎重工業株式会社が持つノウハウと技術を結集し、コンパクトな設計でありながら高出力を実現したスーパーチャージドエンジン。このエンジンは、カワサキガスタービン＆マシナリーカンパニー、航空宇宙カンパニー、コーポレートテクノロジー部門の技術を結集し、完全自社開発した二輪車専用過給機です。

過給機を自社設計し、エンジンの特性に合わせた設計を行った最大のメリットは、市販の自動車用過給機では不可能な、さまざまな条件下での高効率運転が可能になったことです。

スーパーチャージャーの高効率化は、空気を圧縮する際に、パワーを奪う熱の発生を最小限に抑えることが重要です。多くの過給機が限られた条件下で高効率を発揮するのに対し、カワサキの過給機は幅広い圧力比と流量、すなわち幅広いエンジン回転域と車速域で高効率を発揮します。この効率的な運転領域（パワーバンドの広さに相当）は、力強い加速につながります。また、スーパーチャージャーの高効率化と熱損失の低減により、インタークーラーが不要となり、大幅な軽量・省スペース化とエンジンのコンパクト化を実現しました。

カワサキのABSは、フロントとリアのホイールセンサーでホイールスピードを常時監視しています。いずれかのセンサーからホイールロックが発生したことが示されると、ABS ECUはABSユニット内のポンプに指示を出し、通常の動作に戻るまでブレーキ液圧を調整します（トラクションを回復させるために液圧を解放・再加圧します）。ABSはライダーに安心感を与え、より楽しいライディングを実現します。

AHB (オートハイビーム) :

カメラセンサーで前方車両のライトや街灯などの明るさを判断し、必要に応じて自動でハイビームのON/OFFを行います。

このシステムは、ディマ / パッシングスイッチをハイビームに設定し、夜間などの暗い環境にて、20km/h以上の速度の走行時に作動します。システムが作動すると、メーターに緑色のアイコンが表示されます。

BSD (ブラインドスポットディテクション) :

後方に設置したレーダーセンサーにより、ライダーの周囲を監視し、死角に接近する車両の存在をライダーに知らせます。

後方レーダーセンサーは、ライダーの左右の車線の後方をスキャンします。接近してくる車両を検知すると、バックミラーに内蔵されたLEDが点灯します。(注：真後ろや遠ざかっていく車両はお知らせしません）。

また、死角に車両を検知した際に、ライダーがウインカーを点灯して車線変更の意思表示をすると、ミラーのLEDが点滅します。

フェアリングの両サイドに内蔵された3つのLEDライトは、夜間のコーナリング時に路面を照射します。3つのライトはそれぞれ方向が決まっており、リーンアングルに応じて作動します。モーターサイクルが傾くと、ライトは順番に点灯し、モーターサイクルの進行方向を広く照射します。

ESS (エマージェンシーストップシグナル) :

急ブレーキ時にブレーキランプを点滅させ、後続車にモーターサイクルの急減速を視覚的に知らせます。

FCW (フォワードコリジョンワーニング / 前方衝突警告) :

現在の速度で走行すると前方車両と衝突する恐れがあると判断した場合、ライダーに警告を発します。

先行車と衝突する危険性がある場合に、インストゥルメントパネル上部の赤色LEDランプが点滅してライダーに警告します。また、TFTディスプレイにも警告を表示します。

ライダーは好みに応じて警告のタイミングを設定することができます。アーリー、ミディアム、レイトの3種類から選択できます。

カワサキの最先端エレクトロニクスの強みは、常に高度なプログラミングによって、最小限のハードウェアで、シャシーの状態をリアルタイムに正確にECUに伝えていることです。カワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムは、マジックフォーミュラのタイヤモデルを巧みに利用し、複数のパラメーターの変化を検証することで、路面やタイヤの状態の変化を考慮した制御を可能にしています。

また、IMU（慣性計測装置）の搭載により、6自由度（DOF）の慣性を監視することができます。縦軸、横軸、縦軸の加速度に加え、ロールレート、ピッチレートを測定します。ヨーレートは、カワサキオリジナルのソフトウェアによりECUが算出します。このフィードバックにより、車体の姿勢をリアルタイムに把握し、限界域での制御をより緻密に行うことができます。

このIMUと進化したモデリングソフトウェアにより、カワサキのエンジン＆シャシー電子制御技術は、セッティング型、リアクション型からフィードバック型へとステップアップし、より高いライディングエキサイトを提供することができます。

KIBSは、スーパースポーツモーターサイクル特有のハンドリング特性を考慮し、スポーツ走行時の介入を最小限に抑えながら高効率なブレーキングを実現するために開発された。量産車として初めてABS ECU（エレクトリックコントロールユニット）とエンジンECUを連動させたブレーキシステムです。

KIBSは、前後輪の速度に加え、フロントブレーキキャリパーの油圧、スロットル開度、エンジン回転数、クラッチ操作、ギアポジションを監視しています。これらの多様な情報を解析し、理想的なフロントブレーキ油圧を決定します。その結果、一般的なABSに比べ、より小さな単位で油圧を調整することが可能になりました。急ブレーキ時の後輪の浮き上がりを抑制し、シフトダウンも考慮しながらブレーキをかけることができるため、ライダーがリアブレーキをコントロールすることができます。また、より細かい制御が可能なため、ブレーキレバーへのキックバックが少なく、自然なフィーリングを実現しています。

KIPASSはポケットに入るコンパクトなキーフォブ（携帯型イモビライザ）で、ライダーがモーターサイクルに近づくだけで、ステアリングロックやメインスイッチを遠隔で解除することが可能です。

キーフォブをモーターサイクルに近づけると、キーフォブが発信する信号をモーターサイクルのKIPASSユニットが認識します。イモビライザーキーのように、キーフォブごとに信号が異なるため、盗難抑止効果も期待できます。また、上着のポケットに入れたままでも認識されるため、キーを取り出してモーターサイクルのメインスイッチを操作する必要がありません。

*本システムは、三菱電機株式会社が開発した暗号アルゴリズム「MISTY（ミスティ）」を使用しています。

Kawasaki SPIN:
スマートフォンをベースにしたカワサキの新しいインフォテインメントアプリで、サードパーティ製の様々なアプリケーションをダウンロードし、コックピットのTFTディスプレイに映し出すことができます。電話、地図表示、音楽、カレンダー、連絡先などの基本的な機能が利用できます。また、ライダーがダウンロードした他社製アプリをKawasaki SPINのライブラリに追加し、TFTディスプレイ上で操作することも可能です。

タイヤの空気圧を適正に保つことは、オートバイの性能に大きく影響するため、非常に重要です。また、タイヤの空気は時間が経つと自然に抜けていくので、定期的にチェックすることも大切です。タイヤ空気圧モニタリングシステムは、各ホイールのエアバルブに取り付けたセンサーでタイヤの空気圧を常時測定し、走行中にメーターパネルに現在の空気圧を表示します。

タイヤの空気圧は暖まると大きく変化しますが、タイヤ圧モニタリングシステムはこれを考慮し、混乱や誤った警告を避けるため、20℃の空気圧を再計算して表示します。

タイヤの空気圧が過度に低下すると、ディスプレイにタイヤマークが表示され、ライダーに警告を発します。ロングツーリングでのライダーの安心感に貢献します。

VHA (ビークルホールドアシスト) :

ライダーが停止し、ブレーキをしっかりかけたときに作動し、ライダーがブレーキの手や足をリラックスさせるためにリアブレーキを作動させます。

ブレーキ液圧のほか、路面の傾斜度、前後輪の速度、スロットル開度、サイドスタンドのスイッチなどを調べ、作動条件を満たしているかどうかを判断します。ライダーが停止した状態で、フロントブレーキまたはリアブレーキを一定量踏み込むと、VHAが作動します。ABSポンプがリアブレーキを作動させ、ライダーがブレーキの手と足を緩めてもモーターサイクルが動かないことを計器パネルに光と信号で知らせます。

このシステムは、ライダーがスロットルを回して加速したとき、サイドスタンドが降りたとき、または起動から10分経過したときに自動的に解除されます。また、ブレーキレバーを素早く握って離す（1秒以内）ことでも解除できます。